最低賃金が上がる今、使える国の助成金
業務改善助成金を佐賀県・伊万里市・長崎県の
中小企業向けに解説
時給を上げて、仕事を楽にする設備・システムに投資する。
その費用の一部を国が助成する制度です
佐賀県の最低賃金は、2026年11月15日から1,095円になります(現在は1,030円)。人件費が上がるなかで、「仕事を楽にする投資まで手が回らない」と感じている経営者様も多いのではないでしょうか。そんな会社のために、厚生労働省には「業務改善助成金」という制度があります。この記事では、令和8年度の公式資料をもとに、伊万里市を含む佐賀県で申請する場合のポイントをまとめました。業務改善助成金は全国共通の制度なので、長崎県の事業所も対象になります(最低賃金の金額や申請の締切は県ごとに違います)。佐賀県の申請の締切が近いので、気になる方はお早めにご確認ください。
業務改善助成金とは?
会社でいちばん低い時給を50円以上上げるのとあわせて、仕事を効率化する設備やシステムに投資すると、その費用の一部を国が助成してくれる制度です。
① 賃上げ
いちばん低い時給を
50円以上アップ
② 投資
仕事を楽にする
設備・システムを導入
③ 助成
費用の3/4〜4/5を
国が助成
佐賀県・伊万里市で使えるのはどんな会社?
伊万里市を含む佐賀県内に事業所があり、次の条件にすべて当てはまる会社が対象です。
- 中小企業であること(大企業の子会社のような会社は不可)
- 事業場内最低賃金(その事業所で、入社6か月を過ぎた雇用保険加入者のうち、いちばん低い時給)が、1,030円以上・1,095円未満であること
- 労災保険・雇用保険に加入していて、保険料の滞納がないこと
- 申請前の1年以内に、労働基準監督署から是正勧告を受けていないこと
- 申請から報告までの間に、解雇や賃金の引き下げをしないこと
ここに注意
すでに全員の時給が1,095円以上の事業所は、申請できません。また、申請は事業所ごとで、同じ事業所からは年度内に1回までです。月給や歩合給の人は、時給に換算して判定します。
いくら助成されるの?
助成率は、事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。上限額は、「何円上げるか(コース)」と「何人上げるか」で決まります。
上限額(30人未満の事業場の場合)
| 上げる人数 | 50円コース | 70円コース | 90円コース |
|---|---|---|---|
| 1人 | 40万円 | 50万円 | 100万円 |
| 2〜3人 | 70万円 | 100万円 | 240万円 |
| 4〜5人 | 70万円 | 130万円 | 270万円 |
6人以上の場合の上限や、30人以上の事業場の上限は、厚生労働省の資料でご確認ください。支給額は、「投資額×助成率」と「上限額」の安いほうになります。
なお、新しい最低賃金が1,095円になるため、引き上げ後の時給は1,095円以上にしておく必要があります。たとえば今1,040円の人を50円上げても1,090円で足りません。賃上げは1回でコースの額以上を上げる決まりなので、最初から70円コースなどを選ぶ形になります。
何に使えるの?(対象になる投資)
| 対象になる費用 | 対象にならない費用(一例) |
|---|---|
| 業務を自動化するシステムの開発・導入を外部に頼む費用(委託費) | 単なる経費削減(資料作成の外注、通信プランの変更など) |
| 業務に使う機器の購入、ソフト・クラウドの利用料(その年度に支払う分) | 通常の事業でかかる費用(通信費・消耗品・汎用の事務機器など) |
| 導入した仕組みの操作研修(謝金)、マニュアル作成(印刷製本費) | 広告宣伝(ホームページ・チラシ・動画・SNS運用など)、自動車 |
パソコン・スマホ・タブレットは原則として対象外です(一定の条件を満たす「特例事業者」は、新規購入が対象になる場合があります)。ネットで注文を受け付ける機能を付けるホームページ改修は対象になりうるなど、個別の判断が必要なものもあります。迷ったときは、申請前に窓口へご確認ください。
申請から入金までの流れと締切
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1
交付申請(賃上げ計画・投資計画・2社以上の見積書・賃金台帳など)を佐賀労働局へ提出
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2
申請のあと、11月14日までに賃上げを実施(就業規則の改定も申請日より後)
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3
交付決定(国の「OK」の通知)を受け取る
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4
通知のあとに、業者と契約・導入・支払い(2027年1月31日まで)
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5
事業実績報告・支給申請 → 審査 → 金額確定 → 入金(後払いのため、先に立て替えが必要)
佐賀県の申請締切(令和8年度)
窓口・郵送:11月13日(金)17:15必着
電子申請:11月14日(土)23:59まで
予算がなくなると、期限前でも締め切られることがあります。
失敗しやすい注意点
間違えると、助成の対象外になってしまうポイントです。
① 国の「OK」より前の契約・購入・支払いは対象外
交付決定の通知より前に契約・発注・納品・支払いをした分は、どんな理由でも対象になりません。順番を守ることがいちばん大切です。
② 10万円以上の契約は、2社以上の見積もりが必要
税抜10万円以上の契約は、同じ条件で2社以上の見積書をとり、交付決定後はいちばん安い会社と契約する決まりです。親会社・子会社など、関係の深い会社の見積書は使えません。
③ 賃上げは「申請のあと」に「1回で」行う
申請より前に上げた分は対象外です。また、2回に分けて合計50円、という上げ方も認められません。新しい最低賃金が始まる11月15日の前日(11月14日)までに行います。
④ 申請書類の作成・代行は社会保険労務士の仕事
申請書の作成や提出の代行を、報酬を得て請け負えるのは社会保険労務士などに限られます。ご自身で作成するか、社労士へご相談ください。
長崎県の事業所の場合は?
業務改善助成金は国(厚生労働省)の制度で、長崎県内の事業所も同じように対象になります。ただし、最低賃金の金額と、申請の締切は県ごとに違います。この記事の「1,095円」「11月13日・14日」は佐賀県のものですので、長崎県の事業所は、長崎労働局の案内で必ず確認してください。
佐賀県と長崎県の両方に事業所がある会社は、事業所ごとに申請します。それぞれの県の最低賃金と締切に合わせて準備しましょう。
佐賀県の上乗せ補助もあります
国の助成金を受ける県内の中小企業には、佐賀県の「業務改善サポート補助金(第2弾)」で、1/5または1/4が上乗せされる制度があります。対象は、2027年2月10日までに国の金額確定の通知を受けた会社です。国の完了期限(1月31日)ぎりぎりだと間に合わないおそれがあるため、上乗せも使いたい場合は、12月中の完了・報告が目安になります。
問い合わせ先:佐賀県産業イノベーションセンター 補助金事務局(0952-37-1688)
伊万里市の「DX・GX支援事業費補助金」との関係
伊万里市には、AI導入やシステム化に使える市独自の補助金もあります。ただし、同じ費用に、国・県・市の補助金を重ねて使うことはできません。別の費用であれば併用できる場合もあるので、組み合わせる前に、それぞれの窓口でご確認ください。
制度についてのお問い合わせ先(公式窓口)
対象になるかどうかの判断や申請手続きなど、制度そのものの確認は、次の公式窓口が基本です。
- 佐賀労働局 雇用環境・均等室:0952-32-7218(9:30〜17:00)
- 業務改善助成金コールセンター:0120-366-440(平日9:00〜17:00)
- 長崎県の事業所の場合:長崎労働局へ(連絡先は厚生労働省・長崎労働局のホームページでご確認ください)
※「厚生労働省から委託を受けた」と名乗って助成金を勧める業者に、厚生労働省が注意を呼びかけています。ご不明な点は、上記の公式窓口へ直接ご確認ください。
※この記事は、2026年10月時点の厚生労働省・佐賀労働局などの公表内容をもとにしています。最新の情報は公式ページでご確認ください。
「仕事を楽にする仕組み」から相談したい方へ
「どんな仕事を自動化できるのか知りたい」という段階からでも構いません。
伊万里市・佐賀県・長崎県の事業所へ現地に伺いながら、AI活用や業務の仕組みづくりを、一緒に考えて形にしていきます。


