AIの情報漏洩はなぜ起きる?
Claude Codeを安全に使うための
考え方と設定
便利なAIエージェントほど、使い方しだいで
情報が外に出る道ができます。
守り方の基本を、やさしくまとめました
ChatGPTやClaudeのようなAIを仕事で使う会社が増えるなか、「会社の情報がAIを通じて漏れないか」を心配する声も増えています。とくに、パソコンの中のファイルを読み、命令を実行し、インターネットにも接続できるClaude Code(クロード コード)のような「AIエージェント」は、便利な分、情報が外に出る道も多くなります。この記事では、AIで情報漏洩が起きる原因と、今日からできる対策を、中小企業の経営者様にも分かるようにまとめました。
ご利用にあたって(参考情報です)
この記事は、一般的な考え方と設定例を紹介する参考情報です。情報漏洩を完全に防げることを保証するものではありません。ツールの仕様や設定は更新されるため、実際に設定する際はAnthropic社の公式ドキュメントで最新の内容をご確認のうえ、ご自身の環境で動作を確かめてください。会社の大切な情報を扱う場合は、専門家へのご相談もご検討ください。
AIで攻撃が「安く・早く・大量に」なった
サイバー攻撃にもAIが使われるようになり、攻撃する側の手間が大きく減っていると、セキュリティの専門家から指摘されています。AIが自分で弱いところを探し、侵入し、情報を持ち出すところまでを繰り返す手口も報告されています(「バイブハッキング」と呼ばれることがあります)。
また、有名なAIツールを装った偽のアプリで、ログイン情報をだまし取る手口や、盗まれた「APIキー」(AIを使うための合い鍵のようなもの)が闇サイトで売買される例も指摘されています。取引先の会社が突破され、そこに登録していたクレジットカード番号などが流出する「サプライチェーン攻撃」の被害も、他人事ではありません。
「うちは小さい会社だから狙われない」とは言いにくい状況です。まずは、自分たちが使うAIのどこから情報が出ていくのかを知ることが第一歩です。
AIエージェントから情報が漏れる4つの経路
Claude Codeのようなエージェントは、「読む」「実行する」「外に送る」の3つができます。そのため、情報が外に出る道は、大きく4つあります。
① AI本体(開発元のサーバー)への送信
AIに頼んだ内容、読ませたファイルの中身、コマンドの結果は、AIが考えるために開発元のサーバーへ送られます。これは仕組み上の動きなので、「読ませたものは送られる」と考えておくのが基本です。
② 外部サイト・外部サービスへの送信
ウェブサイトの取得、Gitへのアップロード、外部ツールとの連携(MCP)などを通じて、情報が外に出ることがあります。
③ 手元のパソコンに残る会話ログ
Claude Codeは会話の記録をパソコンの中に暗号化しない文字のまま保存します。公式の説明では、初期設定で30日間残ります。バックアップやクラウド同期の対象になっていれば、そちらにも残ります。
④ 自分で送るフィードバックやバグ報告
「/feedback」「/bug」「/share」で送った会話は、公式の説明では5年間保管されます。軽い気持ちで送ると、中にコードや秘密の情報が入っていることがあります。
※保管期間はご利用のプラン(個人向けか、法人・API向けか)や、データ利用の設定によって異なります。ご自身のプランの内容は、公式の「データの使用について」のページでご確認ください。
プロンプトインジェクションとは?よくある4つの事故パターン
プロンプトインジェクションとは、AIが読む文書やツールの中に「秘密の情報を外に送れ」といった悪い指示をこっそり隠しておき、AIにそれを実行させる攻撃です。使う人が気づかないうちに実行されるのが怖いところです。現場でありがちな事故は、次の4つの型です。
| 事故の型 | 何が起きるか |
|---|---|
| 秘密ファイルの読み取り | 作業フォルダにある「.env」(パスワードやAPIキーを書いたファイル)を、AIが確認なしに読み込み、AIの会話や記録に混ざってしまう |
| まとめ検索での混入 | ファイル名を指定しない検索で、意図しない秘密の情報まで読み込まれる |
| 中身を見ない「はい」 | 確認画面が多すぎて、内容を読まずに許可してしまう。設定よりも先に、運用の油断で崩れる |
| 知らない設定の自動実行 | ダウンロードした資料に同梱された設定(外部ツールとの連携設定など)を信用して実行した瞬間に、悪いプログラムが動く |
対策の基本は「読ませない・送らせない・残さない・確認する」
対策は、細かい設定が多くて難しく見えますが、考え方は次の4つに整理できます。
① 読ませない
秘密のファイルは
置かない・読ませない
② 送らせない
外に送る前に
人が確認する
③ 残さない
記録の保存期間を
短くする
④ 確認する
許可の画面を読み
定期的に見直す
Claude Codeで今日からできる設定
1. 動かす場所を、仕事用のフォルダに限る
ホーム(ユーザー直下)などの広い場所ではなく、その仕事に必要なフォルダの中だけで起動します。AIが見える範囲が狭くなります。
2. 「読ませないファイル」と「送る前に確認する操作」を決める
Claude Codeの設定ファイル(settings.json)に、禁止(deny)と確認(ask)のルールを書けます。公式ドキュメントにも、「.env」を読ませない書き方が載っています。次は設定例です(そのまま使う前に、ご自身の環境に合うか確認してください)。
{
"permissions": {
"deny": [
"Read(./.env)",
"Read(./.env.*)"
],
"ask": [
"Bash(curl *)",
"Bash(git push *)"
]
},
"cleanupPeriodDays": 7
}
「deny」は絶対に読ませない、「ask」は実行前に必ず人に聞く、という意味です。最後の「cleanupPeriodDays」は、手元の会話ログを残す日数の設定で、初期設定の30日を7日に短くする例です。
3. 許可のモードは、全開にしない
確認をすべて飛ばす「全開モード(bypassPermissions)」は、原則として使わない方が安全です。確認しながら進めるモードや、実行前に計画だけ立てさせる「プランモード」などを使います。
4. パスワードやAPIキーは、作業フォルダに置かない
「.env」をプロジェクトの中に直接置かず、パスワード管理ソフトなどで管理します。APIキーは、使える範囲を狭くし、有効期限を短くし、定期的に作り直します。利用額に上限を設けておくと、万一盗まれても被害を抑えられます(上限の金額は、会社の使い方に合わせて決めてください)。
5. 不要な送信窓口を閉じる
フィードバックやバグ報告のコマンド(/feedback・/bug・/share)を使えなくするには、環境変数「DISABLE_FEEDBACK_COMMAND」を「1」にします(公式の説明より)。使わない機能は閉じておくと、うっかり送信を防げます。
6. 外部ツール(MCP)は、信頼できるものだけ
公式や、信頼できる大手の会社が出しているものだけを使います。出どころの分からない第三者製のものや、ダウンロードした資料に最初から入っている連携設定は、安易に許可しないでください。接続中の一覧は「/mcp」で確認できます。
人の習慣でできる対策(確認・見直し・カード明細)
- 確認画面を読んでから許可する。表示されたコマンドや場所を読まずに「はい」を押さないことが、最も効く対策です
- 許可ルールを定期的に見直す。月に1回ほど、「/permissions」で、これまでに許可した内容を確認し、不要なものを外します
- SNSで話題のツールを、そのまま実行しない。コードや設定ファイルを、先に別のAIチャットなどで安全性を確認してからにします
- 設定の状態をチェックする。「/doctor」コマンドなどで、設定の不足や不具合を確認できます
- クレジットカードの通知をオンにする。利用のたびにスマホへ通知が届く設定にし、月に1回は明細を確認します。100円や1ドルほどの「試し決済」を見落とさないことが大切です
いちばん安全なのは「大事な情報を、そもそも渡さない」こと
設定を完璧にするのは大変です。お客様の個人情報や、会社の機密にあたる資料は、AIの作業フォルダに入れない運用にするだけでも、リスクは大きく減ります。
まとめ|AI導入のご相談は佐賀・長崎・伊万里へ
AIで情報が漏れる原因は、①AIへの送信、②外部への送信、③手元に残る記録、④自分で送る報告の4つの道と、「確認せずに許可する」といった人の油断にあります。対策は、読ませない・送らせない・残さない・確認するの4つを、できるところから進めることです。
iweb-factoryは、伊万里市・佐賀県・長崎県の事業所へ現地に伺いながら、AIの活用と、安全に使うためのルールづくりを一緒に考えています。「自社に合うルールを決めたい」「AIを入れたいが情報漏洩が心配」という段階からでも構いません。
※この記事は、2026年10月時点のAnthropic社の公式ドキュメントと、一般的に公表されているセキュリティの考え方をもとにした参考情報です。最新の仕様や設定方法は、必ず公式の情報でご確認ください。
AIを安心して使うために、一緒に考えませんか
伊万里市・佐賀県・長崎県の事業所へ現地に伺い、
会社に合ったAIの使い方と安全なルールづくりを、一緒に考えて形にしていきます。


